ブログ記事を書くなかでよく思うところがあります。こんな独りよがりな方法論や思考を一方的に披露したところで一体誰の役に立つのだろうか、結局はただの自己満足に過ぎないのだろうな、なんてブルーでセンチな気分に耽りつつも、安価で粗悪なスコッチを煽って悪文乱筆をそのままに、えいやと更新して放置して泥のように眠りこけるのが最近の傾向であったのですが、そんな折、とても嬉しいお知らせが耳に入ってきました。
昨年平成29年の司法書士試験では不合格だった方が、当ブログの記事のなかで紹介した手法をいくつも実践して頂き、見事合格を果たされたと吉報を頂いたのです。しかも合格発表の翌日に。本当におめでとうございます。こんなに嬉しいことはありません。
とはいっても、こちらの合格者の方は、前年は総合点で1.5点足りずという結果でして、もともと十二分に合格の実力はある方でしたので、当ブログが寄与した分など雀の涙ほどもないのかもしれません。それでも何らの意味もないように思っていたものに、思いがけないリアクションがあると、続けてきてよかったなと感極まるものがございます。
今回の記事では、平成30年司法書士試験に見事合格されましたtoshikiさんから当ブログの勉強法につき実践頂いた感想を頂戴しましたので、ご許可を得て転載させて頂きます。今年平成30年の試験で惜しくも合格ラインを割ってしまった方、平成31年以降の合格を本気で目指す受験生の方はぜひご参考にしてください。
(追記)
結果は、午前87点(688位)午後102点(3位)、記述(不)27点、(商)31点 計58点(17位) 合計247点で、なんと総合8位の成績とのことでした。素晴らしい。
とご感想をご紹介させて頂く前に、前年と今年の当ブログのコメントのやり取りを転載いたします。
前年(平成29年)のやり取り
今年(平成30年)のやり取り
紙一重で不合格だった年から翌年へのモチベーションのかけ方、勉強の進め方は本当に難しいものです。そんななか見事合格を果たされて素晴らしい限りです。おめでとうございます。
当ブログの記事を実践してのご感想
・他校の模試を受ける。
これをやってなかったら今年も落ちていたのではないかともっとも感じることです。それまでLecしか受けていなく、落ちた年もつじさんと同じようにS判定がでていました。Lecの模試では午前は全肢検討して且つ間違えている箇所に簡単な理由や正解を書いて、1時間かからない程度で退出し、満点近い点数が取れ、午後も択一全肢検討して記述の見直しも含め2時間40分で終わって、総合成績順位は1桁台でした。今年は伊藤塾、Tacの模試も申し込みました。どの問題も聞かれている内容はLecと同じでも、はじめて見る問題ばかりで、午前は自信満々に切れる問があまりなく、何回も見直して、2時間フルに使い、午後は今まで通り解いたら時間が足りないこともあり、結果はA判定のもあればB判定のときもありました。
今振り返ってみると個人的に択一はTacが一番本試験に近い感覚でした、全肢正誤判断して解答できることがほとんどなく、それでも次の問いに行かなければいけない、午後はそれに加え記述の時間も残しておかないといけないのでマークシートの再確認のみで問題を再検討する時間は無いと思いながら受けていました、ものすごく難しく感じましたが、結果を見てみると合格点取れていたなんてこともありました。今年の本試験の午後はまさにこれでした。金曜日土曜日と連続で模試がある週が何回もあり、肉体的精神的に結構疲れましたが、体験しておいて本当に良かったと心底思います。
予備校ごと、模試にカラーがあります。それぞれに作成方針がありますし、前年のスタッフが今年の制作に携わっていることもままあるので、仕方のないことです。そのため、一か所の予備校の模試や答練を受け続けると、同じような問題の傾向に慣れ、実際の実力以上に点数は伸び判定はSに近づきます。趣向の異なる問題でも相対的に合格点を積めるかどうかが重要です。私は時間とお金が許す限り他の予備校の模試も受験してみることを下記記事で推奨しております。
・次に、Googleドライブのスプレットシートに間違えた問題と対策を蓄積していくことです。
私はPC初心者なので、ずっと暗記カードに科目を分けて、間違えた問題を書いてましたが、かさばるし、効率悪いと悩んでいましたが、この記事をよんで実行してみると、ものすごく簡単で、それ以降暗記カードに書き込むことはなくなりました。 私は記述(不/商)、午前・午後の択一の4つ作りました、前述した通り模試が連日あり、疲れていて明日も模試があって勉強する気が起きないときも、このやり方なら打ち込むだけでできるので、続けられました。本試験までには、各項目をA4、1枚(計4枚)にすることを目標としました、本試験にはこの紙だけ持っていきました。
アナログに頼りすぎず、デジタルに頼りすぎず、自分がもっとも精確に知識を積み重ねられる方法を試行錯誤して身に付けるのが大切です。どうも自分の復習の方法に非効率さを感じる、同じ間違いを何度でも繰り返してしまうといった方にお薦めのやり方です。間違いを蓄積していくことは手段でしかなく、その間違い群を縮小していくことこそが目的であることを忘れないようにしたいものです
。
・これと併用して使っていたのが、パワーポイントで雛形を作ることです。
2017年度の本試験で商業の記述は書けたつもりでしたが実際は10点台と低かったので、どうにかして覚えなきゃいけないと思っていたところ、この記事を目にして実行してみました。
この方法なら、ひと目でその登記に関する、事由、事項、添付書面、税を確認できるので作った後流れ読みするだけでも、すごくためになります。苦手だった商業登記の本店・支店移転や支配人関係、不登法の抵当権の順位譲渡・一部順位譲渡 等を覚えるのに本当に役に立ちました。
司法書士試験は膨大な試験範囲です。何かを覚えるたびに何かを忘れていく、その繰り返しです。忘れにくくするためには、覚えたことを蘇らせる機会をいかに多く作れるかに尽きます。そんななか、不動産登記や商業登記の申請書雛形をどう覚えるか、そして、どう忘れにくくするかについての方法の一つを記載した記事です。
・時間を計るa Time Loggerも使いました。
私はつじさんのように几帳面ではないので、最初は見よう見まねで使っていましたが、使うにつれてこれだけの範囲をこの時間でできるんだと気づくことができたり、午後科目の勉強では時間を意識して、民訴5問で何分、マイナー科目で何分で解くと目標を定めて使っていました。 ただ今見返してみると、結構時間かけてやっていたつもりが、復習も込めた模試・答練の時間を除いて2017年10月から月80時間を超えたことがなく、目を疑いました・・・
勉強を始めたら時間を記録する、集中が途切れたとき、休憩のとき、あるいは勉強を終えたときは時間の記録を止める。それだけで勉強する頭のオンオフが自然に出来てきます。そして自分がどれだけ集中できているのか、できていないのか、無駄な時間がどれだけあるのかが見えてきます。
・ブログで紹介された参考書で購入した書籍
平成30年度版判例六法Professional(有斐閣)・・・
Lecの講義教材でも民法条文は載っていましたが、購入しました。主に答練、模試の復習で使用しました。
間違えた問題や解説で知らない判例や条文、が出てきたときに鉛筆で書き込んだり、教材に写したり、checkマークをつけていました。
もうすぐ平成31年版が出るかと思います
山本浩二のautoma system(不/商)・・・
記述問題は十分溜まっていましたが、本試験1か月半くらい前に購入しやり始めました。10分から15分で解いていく感じで、雛形練習よりは、記事で紹介されている通り、ひっかけに気づく力や応用力を付ける為に使いました。商業では結構ひっかかって、大丈夫かな・・と不安になったこともあります。
誤植の多さに目をつぶれば良書
司法書士 山本浩司のautoma system 不動産登記法 記述式 第6版 (W(WASEDA)セミナー 司法書士)
- 作者: 山本浩司
- 出版社/メーカー: 早稲田経営出版
- 発売日: 2018/01/25
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司法書士 山本浩司のautoma system 商業登記法 記述式 第5版 (W(WASEDA)セミナー 司法書士)
- 作者: 山本浩司
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余談ですが、私は午前科目の会社法に苦手意識がありましたので、いくら司法書士試験の会社法の問題を解いても、何故か足りないと思っていました、そこでLecの公認会計士試験の一問一答問題集(企業法)も使っていました。
公認会計士試験ということもあってか、なかなか悩ませられる問題が多く、しかし、司法書士試験でも同じ内容が出ていたりしていたので、重宝しました。
司法試験や行政書士試験の会社法の過去問だけでなく、公認会計士試験の過去問も司法書士試験対策になるとは目から鱗でした。会社法は毎年傾向が変わり、もっとも司法書士試験の過去問の蓄積が効きにくい科目でありますので、お薦めです。
公認会計士試験 短答式試験対策 一問一答問題集 企業法 第2版
- 作者: 東京リーガルマインド LEC総合研究所公認会計士試験部
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最後に
最後に、総合点1.5点足りず落ち、なかなか勉強のモチベーションを保てずにいたところ、つじさんのブログを発見し、参考にし、見よう見まねでスプレットシートやパワーポイントを作っていくうちに、ただ模試や答練を受けるだけではなく、いかにこれらを有意義にしていくか、二度と間違えないようにどうしたらいいか、考えることによって勉強が楽しくなっていきました、そのおかげで周囲の「もう今年は落ちないだろ。」という、プレッシャーに負けず、リベンジを果たすことができたと思います。改めてお礼申し上げます、差支えなければ成績通知が来たらまたコメントいたします。
<m(__)m>
当ブログでは、色々と小手先のテクニックを提示させて頂いておりますが、根底で伝えたいことは正にこのことに尽きます。自分で考えて、対策を立て、それを試して失敗を重ねて、成果を出す、その楽しさを知ってほしいということなのです。合格するまでも自分の人生なのですから、その道中も存分に楽しんで欲しい、それだけです。
toshikiさん、本当に合格おめでとうございます。 そしてご感想ありがとうございました。