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司法書士に高度な倫理が求められる理由

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平成29年度の司法書士試験合格者が参加する中央新人研修の後期日程(平成30年1月23日から25日)には、レポート課題が課せられています。
 
「司法書士に高度な倫理が求められる理由」について、指定された用語を用いて、1200字程度にまとめよというものです。
 
私の本音としては下記のつぶやきに尽きるところであります。
 

 
倫理のない者を事前にふるい落とす施策として、司法書士試験にて「おばあさんの荷物を何回持ったことがありますか?」「雨のなか、捨てられた子犬を拾ったことはありますか?」等を訊く科目を設けてみてはどうでしょうか。
 
しかし、そんな屁理屈を言っても誰も相手にしてはくれないので、連日のアルコール摂取でピンポン球ほどに収縮した頭脳をさらに振り絞って、1,200文字を捻り出しました。
 
論理的整合性のない稚拙な文章のため、そのままコピペすることは推奨しませんが、レポートを書く端緒が見つからないという平成30年度以降の合格者にとっての一つの参考になればと思って、掲載します。
 

司法書士に高度な倫理が求められる理由

 
    司法書士倫理の前文に、「司法書士の使命は、国民の権利の擁護と公正な社会の実現」とされ、「その使命を果たすための基本姿勢」として「司法書士倫理」が制定されているとある。つまり、「国民の権利の擁護と公正な社会の実現」のために、司法書士倫理に制定されるような高度な倫理が司法書士には求められるものと解釈できよう。
 
 では、なぜ「国民の権利の擁護と公正な社会の実現」のためには高度な倫理が求められるのか。
 
    一つには、司法書士の業務が、一般国民の依頼を受けて依頼者のために登記、供託および訴訟等に関する手続きについて代理し、法律事務を行うものであって、依頼者の正当な権利や利益の実現に資する性質のものであることによる。業務の遂行にあたっては、あくまで公正に行わなければならず、不当な目的のために行い、あるいは不当な手段によって行っては、前文に掲げられた目標は達成できない。そのために、公正な職務を行えるよう、司法書士は、国、裁判所、法務局、行政機関その他の関係者から独立した自由な立場であることが求められる(司法書士規則第2条・第5条)。このように、「公正と独立」を担保することで、初めて司法書士は国民の権利の擁護と公正な社会の実現に寄与できるのである。それゆえ、司法書士倫理第23条には、「司法書士は、職務の公正を保ち得ない事由のある事件については、職務を行ってはならない。」と定められている。
 
 もう一つに、司法書士が法律専門家として職務を遂行するには、国民の司法書士に対する深い信頼が必要な点が挙げられる。そのため、司法書士法第2条では、「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」と職責が定められている。また、「司法書士と依頼人との契約の性質」が、専門的知識を有する者とそうでない者との構図になるため、全面的に司法書士を信頼せざるを得ないという関係のなか、司法書士は、依頼人の利益を図るために誠実にその職務を行うべき義務である「忠実義務」が求められるともいえる(司法書士倫理第2条)。忠実義務の具体例として、狭義の忠実義務、秘密保持義務、秘密不使用義務、利益相反行為回避義務が挙げられる。
 
 それぞれの忠実義務が定められた背景として、秘密保持義務は、司法書士はその業務の性質上、依頼者や関係者らの秘密に深く立ち入ることが多く、秘密保持についての依頼者の信頼なくしては業務を行いえない点にあり、秘密不使用義務も同様である。利益相反行為回避義務については、司法書士法22条で定められており、司法書士倫理にもその趣旨が拡大されたものが制定されている。その背景には、利益相反行為を回避することで、依頼者の利益を保護し、司法書士の業務執行の公正さを確保し、司法書士の品位を保持することを狙いとする。      
 

以上 

終わりに

なお、倫理なんて言葉を聞くだけで背中がムズムズする私に似た不埒な方には、三島由紀夫の「不道徳教育講座」という書籍をお薦めします。悪徳を奨励することで、道徳の意義を浮かび上がらせる、現代社会にも響く普遍性を持つ名エッセイであります。 勉強の息抜きに持って来いですよ。
不道徳教育講座 (角川文庫)

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