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会社法は改正前と改正後を比較して学べば理解が一層深まる

平成26年の会社法改正後の予備校のテキストのみでは、改正後の内容にすべて塗り替えて書き直されているため、どこが改正されたのか、という点がわかりにくいという難点があります。
 
 

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その急所を正に狙い撃ちしたのが、平成28年度の司法書士試験でした。

 

私も見事にやられ、その年の会社法は無残な結果に終わりました。

 
そこで、会社改正前と改正後を比較して改正点を深く理解するに適した書籍を探し、巡り合ったのがこれです。
 
坂本三郎の『一問一答 平成26年会社法改正』 です。
一問一答 平成26年改正会社法〔第2版〕 (一問一答シリーズ)

一問一答 平成26年改正会社法〔第2版〕 (一問一答シリーズ)

 

著者は、法務省民事局参事官として、平成26年の会社法改正において、中心的な役割を果たした人物です。つまり、解説として、これ以上にない適任者からの内容となっているのです。

 
形式は、タイトルの通り一問一答で読みやすく、改正の趣旨は何か?改正された部分はどこか?等の問いに、答える形で展開されております。
 
以前も記事にしましたが、会社法の理解が進みにくい要因の一つとして、多くの予備校のテキストに、その制度の理由付けまで、丁寧に掲載し切れていない点が挙げられます。
 
本著は、予備校本のそうした急所を補強するに最適であり、丸暗記ではなく理屈をなぞって理解したいタイプの受験生には、大きな武器となります。
 
具体的にどういった質問があるのでしょうか。
 

 

 

たとえば、
 
Q.監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、取締役会が重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる理由は?
 
Q.社外取締役の選任を義務付けることとしなかった理由は?
 
Q.支配株主の異動を伴う募集株式の発行において、株式総会の証人を要するのはどのような場合か?
 
Q.いわゆる多重代表訴訟制度を創設する理由は?
 
Q.株式移転の無効の訴えを提起することができる者に、株式移転により設立する株式会社の破産管財人および株式移転について証人をしなかった債権者を追加することとした理由は?
 
といった趣旨の問いが240問、掲載されております。
 
受験だけでなく、その後も見据えた学習をしたい人には特にお薦めです。
 
基本事項を押さえた受験生が、本書と、以前紹介しました会社法 第3版 (LEGAL QUEST)の2冊を併せて読めば、もう会社法は盤石です。あとはひたすら演習問題をこなしていけばよいでしょう。
 
そもそも、会社法改正の概要をよく知らないという受験生には、まずは下記の書籍から入るとよいでしょう。図表を交えて平易に要点が書かれております。
 
ここが変わった! 改正会社法の要点がわかる本 法務省令対応版

ここが変わった! 改正会社法の要点がわかる本 法務省令対応版