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【誤答遅報】平成30年度簡裁訴訟代理等能力認定考査

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平成30年度の簡裁訴訟代理等能力認定考査を6月3日に受けてきました。
 

 
 
これで及第点を取れれば晴れて認定司法書士となるわけですが。はてさて。
 
誤答満載なうえに遅報という名状できない救いようの無さではありますが、自戒のため、私の答案と思考回路を恥を忍んで晒しておきます。
 

第1問

(1)(訴訟物)

売買契約に基づく、甲土地引渡請求権及び債権的登記請求権としての所有権移転請求権
 
※ 訴訟物2個ってのはなんとなくヤバない?なんて思ってたら、「及び」という魔法のワードが舞い降りる。及ぶしかねぇ
 

(2)(請求の趣旨 ※付随的申立を含む)

1 被告は、原告に対し、甲土地を引き渡せ
2 被告は、甲土地の所有権移転登記手続きをせよ
3 との判決及び1については仮執行宣言を求める
 
※1 請求の趣旨聞くんかーい、しかも付随的申立も含むんかーいってずっこける
(近年の傾向として、請求の趣旨は問われなくなってきており、付随的申立に至っては認定考査の開始以来問われたことはなかった)
 
※2 なんとなく登記手続きに仮執行宣言は無意味やったよなーとの知識を手繰り寄せながらそれっぽく書く。仮執行宣言を「1については」って書いてるところが自分的におしゃれ
 

(3)(請求原因事実)

請求原因1 有権代理
 
1 Xは、Zに対し、平成30年3月1日、代金50万円で甲土地を売った。
2 Zは、上記1の際、Yのためにすることを示した。
3 Yは、Zに対し、平成30年2月1日、上記1の本件売買契約に関しての代理権を授与していた。
4 現在、甲土地にはYの所有権移転登記が存在する。
 
※4はドヤ顔でこれこれとあとから付け加えたが、債権的登記請求権のため不要だったよう
 
請求原因2 表見代理
 
1 請求原因1の1に同じ
2 請求原因1の2に同じ
3 Xは、上記1の際、Zに本件売買契約についての代理権があると信じた。
4 Xは、Zより、上記1の際、YがZに対して甲土地の売買に関する一切の件を委任する旨を記載した平成30年2月1日付けの委任状及びこの委任状に押されていたYのはんこの印鑑登録証明書を受け取っていた。
5 Yは、Zに対し、平成30年2月1日、甲土地を賃貸することについての代理権を与えた。
6  現在、甲土地にはYの所有権移転登記が存在する。
 
※無権代理の追認を、請求原因に書くか再抗弁に書くか迷ったが、基本代理権あんねやから初めっからそんな弱気でどないすんねん、つって再抗弁に回す…
 

(4)(抗弁)

抗弁1 同時履行の抗弁(請求原因1に対して)
Xが、Yに対し、請求原因1の1の本件売買契約の売買代金50万円を支払うまで甲土地の引渡し及び所有権移転登記手続きをしない
 
※同時履行の抗弁を書くたびに君がッ泣くまで殴るのをやめないッ!ってジョジョ一部を思い出して吹きそうになる
 
抗弁2 過失の評価根拠事実 (請求原因2に対して)
Xは、請求原因1の1の本件売買契約の際、Yに対して、確認しようと思えばすぐにできたのに、本件売買契約について直接連絡して確認することもなかった。
 
※正当性の評価障害と過失の評価根拠ってどう違うねんと思考回路はショート寸前
 
抗弁3 附款(請求原因1に対して)
Yは、Xとの間で、請求原因1の1の本件売買契約の際、売買代金50万円の支払と引渡し及び登記手続きを引換えに行うこととし、その日を同月30日とする合意をした。
 
※1 同時履行書いたら附款書かねーかなーとか思いながら、支払期限はあるから書いとこって
 
※2 附款(条件・期限)いるでしょーって思ったが、他に書いた受験生は確認できず
 

(5)(再抗弁)

再抗弁1 弁済及び相殺(抗弁1に対して)
 
1  Xは、Yに対し、請求原因1の1の本件売買契約の債務の履行として、売買代金50万円のうち25万円を支払った。
2 Xは、Aに対し、平成28年10月10日、丙絵画を30万円で売り、当該売買契約に基づき丙絵画を引渡した。
3 Aは、平成29年9月1日に死亡した。
4 YはAの子である
5 Xは、Yに対し、平成30年3月30日到達の書面にて、上記2の売買代金債権をもって、請求原因1の本件売買契約の代金債権の残額25万円とその対当額をもって相殺する旨の意思表示をした。
 
※弁済と相殺(さらに相続)のコラボは初めてだな〜と思いながら書く。
 
再抗弁2  追認(抗弁2に対して)
 
Yは、Xに対し、平成30年3月3日、「甲土地を買ってくれてありがとう。」と感謝の言葉を述べ、請求原因事実1の本件売買契約を了承した。
 
※1 ありがとうって伝えたくて〜あなたを訴えるけど〜って歌が頭の中に流れる
 
※2 表見代理主張して過失を認めるってことは、ここで初めて無権代理ってこと??ゆえにここで追認のカードを出して俺のターンはエンド!
 
再抗弁3 条件成就及び期限の到来(抗弁3に対して)
1 再抗弁1の1から5に同じ
2 平成30年3月30日は到来した。
 
※あれ?同時履行と一緒?と思いつつ、あ、到来がある到来到来。
 

(6)(和解条項案の穴埋め)

①平成30年6月12日に本件売買契約の債務の履行として40万円を支払う
②被告が原告に対して平成30年6月12日に本件売買契約の債務の履行として40万円を支払うのと引き換えに、所有権移転登記手続きを行う
 
※1 和解条項案???!!!特別研修でやったような。論点がわからん…
 
※2 初出の形式でそこまでひねった問題も出さんやろと高をくくってそのまま素直に書く
 

 

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第2問

(1)(どのような訴訟行為をすればいいか)

訴えの併合を裁判所に申し立てる
 
※1 訴えの併合はたしか職権でしかできんよな〜と思いながら他に思い浮かぶものなく
 
※2 答えは、同時審判の申し出だったっぽい
 

(2)(送達方法、請求原因事実の立証の要否、その理由)

・公示送達
・請求原因事実の立証が必要である
・送達手段が公示送達の場合は弁明の機会が十分に与えられたとは言えず、自白擬制を働かせるのは酷だから。
 
※酷だからの一言で終わらせたかったが、それはあまりにも酷だなってことで少し付け足しまろやかにする
 

(3)(自働債権が30万円でなく150万円でも相殺の主張ができるか)

できない
 
原則として、相殺の抗弁ないし再抗弁で既判力がつくのは相殺として主張した額となり、訴額もその額と照応し、140万円以下であれば司法書士の代理権の範囲内となる。しかし、自働債権の額ないし存否に争いがある場合は、相殺に用いる自働債権の額そのものの法律相談となる。よって、本問では、自働債権の額ないし存否に争いがあって、自動債権の額が140万円を超えるため、Pは、Xの訴訟代理人として下線部の事実に基づく主張をすることはできない。
 
※過去問にあったから瞬殺。間違ってたら赤っ恥。
 

(4)(本人から依頼を受けながら、無権代理人からも依頼を受けられるか)

受任することができない
 
司法書士倫理61条4号により、依頼者との利害が対立する事件については受任できない旨が規定されている。本問では、YがZの代理権を認めず委任状の偽造を主張しているため、すでに利害が対立しているといえる。よって、Qは、Zから上記依頼を受任することができない。なお、両者の利害が潜在化しており、両者の協力及び紛争の解決が見込め、利害が顕在化した場合には両者の代理人を辞任しなければならないことを十分に説明したうえで、両者の同意を得られるときは両者の代理人となることができる。
 
※これも過去問に頻出する耳タコ案件。豪鬼の気分で瞬獄殺。
 
認定考査の倫理対策はこれ! 
 
ということでお疲れ様でした。結果は3ヶ月後。さて。
 

 

 

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