前回は、不動産登記法の記述問題の解き方を解体してみました。今回は、商業登記法の記述問題の解き方を解体してみます。
不登法に比べて幾分シンプルです。自分でも不登法と商登法で、こんなに解き方に差があったのかと改めて驚きました。
- ①問題文を確認する:1分
- ②注意事項を確認する:1分
- ③登記記録を確認する:3分
- ④発行済株式総数、資本金の額を書き写す:1分
- ⑤定款を確認し、役員の任期を図示する :3分
- ⑥議事録・聴取記録を確認する(一問目):10分
- ⑦役員図に就任・退任を記載していく(一問目):5分
- ⑧議事録・聴取記録を確認する(二問目):10分
- ⑨役員図に就任・退任を記載していく(ニ問目):5分
- ⑩登記できない事項を確認する:3分
- ⑪登記すべき事項とその順番を確定させる:2分
- ⑫登録免許税を計算する:1分
- ⑬清書する:15分
- おまけ:不登法と商登法の回答時間の割り振りについて
参考:答案構成用紙
①問題文を確認する:1分
・問1と問2の、別紙の範囲を確定する
・申請日を確認する
・申請する登記所は同一か別か、本店支店か
・添付書面の通数は必要か
・登録免許税の内訳は必要か
・登記することができない事項が問われているか
②注意事項を確認する:1分
・添付書面は援用するか、しないか
・押印は市区町村長作成か、届出印か(聴取記録に記載のときもあり)
・負債200億円以上になったことがないか
・記載すべき事項がないときは「なし」と記載でよいか
・新株予約権や発行可能種類株式総数の内容など登記すべき事項に省略できる部分がないか
・その他例年の過去問の注意事項にない特異な記載がないか
③登記記録を確認する:3分
・公開会社か否か
・取締役設置会社か否か
・大会社か否か
・株券発行会社か否か
・支店・支配人はないか
・存続期間はないか
・新株予約権はないか、あれば行使期間はないか
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④発行済株式総数、資本金の額を書き写す:1分
・発行済株式総数、発行可能株式総数、発行可能種類株式総数を写す
・自己株式数や、可能数から控除すべき新株予約権の対価等あれば書き加える
・譲渡制限や取得条項など株式の種類も書き加えておく
・別紙か聴取記録にある定款から任期、員数規定、事業年度末日、株主総会の招集時期を確認する
・縦軸に、略字で役職と名前を並べていく
・横軸は時系列とし、一つ目の目盛りに事業年度末日を記載
・各人が、就任日以降、その末日を何回目に迎えているか記載
・その次の定時で任期満了となる者には丸を付ける
⑥議事録・聴取記録を確認する(一問目):10分
・定足数、議決数に異なる定めはないか確認
・総会ごと、議案ごとに登記事項を一通り抜き出していく
・添付情報で必要なものも記載していく
・事業年度の変更があったときは面倒臭いので覚悟する
・役員が席上で就任承諾していないときは注意
・満場一致でなく、賛成者が限定されている場合は注意
・聴取記録でそれぞれの定足数を満たしているか確認
・議決数を満たしているか確認
・添付情報で揃っているものは、四角で囲っていく
・発行済株式総数や資本金の推移があれば分かりやすいように記載
⑦役員図に就任・退任を記載していく(一問目):5分
・第1問目の申請で、どこまで役員の登記をするか解るようにしておく(区切り線を入れる)
・公認会計士の自動重任を忘れずに
・ここで印鑑証明書の通数や本人確認証明書の通数を確定していく
⑧議事録・聴取記録を確認する(二問目):10分
・一問目と同じ要領で行う
⑨役員図に就任・退任を記載していく(ニ問目):5分
・一問目と同じ要領で行う
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⑩登記できない事項を確認する:3分
・1問目、2問目を通じて登記できない事項を確定させる
・定足数、議決数を満たさないもの、添付が足りないもの、期間が足りないもの、4倍ルール、機関設計 等
⑪登記すべき事項とその順番を確定させる:2分
・登記すべき事項に目印をつけ、その順番を確定させていく
・条文は区ごとにあるが、時系列に沿って記載しても減点はなさそう
⑫登録免許税を計算する:1分
・資本金1億前後のときは役員の税の計算を慎重に
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⑬清書する:15分
・最初にメモをした注意事項に目を通したあとに清書していく
・届出印を押していることを忘れて印鑑証明書を余分につけないように
・新株予約権や発行可能種類株式総数の内容などは、時間がかかるのでスペースだけ取って後回しにする
おまけ:不登法と商登法の回答時間の割り振りについて
60分を想定して各工程での時間配分の目安を割り振りました。しかし、最近では、本試験で不登法が難化、商登法が易化の傾向にあるので、回答時間を均等に割り振らず、不登法:商登法=70分:50分程度にした方が解きやすいかもしれません。
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