今回の記事では、司法書士試験における各科目の得点比率から、科目ごとの勉強時間の割合の目安を算出します。さらに、そこから一週間のスケジュールのモデルケースも考えます。
司法書士試験では11科目と科目数が多いため、特定の科目に偏って勉強していると、その他の科目の情報がどんどん薄れていきます。さらに、基準点という制度があるため、いかに得意に科目があろうとも、苦手科目も含めて満遍なく得点を重ねなければ基準点に満たず合格ラインに達しません。つまり、司法書士試験は各科目をバランスよく勉強しなければいけない試験であると言えます。
では、どのようにそのバランスを決めるか。その一つの基準にできるのが、科目ごとの得点比率です。
司法書士試験の科目ごとの得点比率(表)
科目 | 問題数 | 得点 | 割合 |
---|---|---|---|
民法 | 20 | 60 | 21.4% |
不動産登記法(択一) | 16 | 48 | 17.1% |
不動産登記法(記述) | 1 | 35 | 12.5% |
商業登記法(記述) | 1 | 35 | 12.5% |
会社法 | 9 | 27 | 9.6% |
商業登記法(択一) | 8 | 24 | 8.6% |
民事訴訟法 | 5 | 15 | 5.4% |
憲法 | 3 | 9 | 3.2% |
刑法 | 3 | 9 | 3.2% |
供託法 | 3 | 9 | 3.2% |
民事保全法 | 1 | 3 | 1.1% |
民事執行法 | 1 | 3 | 1.1% |
司法書士法 | 1 | 3 | 1.1% |
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司法書士試験の科目ごとの得点比率(グラフ)
ざっくり把握すると、民法で4分の1、不動産登記法で4分の1、会社法と商業登記法とで4分の1、その他マイナー科目で4分の1です。
最大の比率の科目(民法)と、最小の比率の科目(民事保全法、民事執行法、司法書士法)との割合は20対1の差にもなります。民法は少なくとも司法書士法の20倍の時間をかける必要があるし、司法書士法は民法の20分の1程度の時間のかけ方でよいということでもあります。
科目ごとの勉強時間の割り振り
では、この得点の比率を踏まえて勉強時間の割り振りを考えてみます。
仮に、1日8時間勉強する受験生のケースだと、1週間あたりの各科目の学習時間の割り振りは以下のようになります。
民法 | 12 | 時間 |
不動産登記法(択一) | 9.6 | 時間 |
不動産登記法(記述) | 7 | 時間 |
商業登記法(記述) | 7 | 時間 |
会社法 | 5.4 | 時間 |
商業登記法(択一) | 4.8 | 時間 |
民事訴訟法 | 3 | 時間 |
憲法 | 1.8 | 時間 |
刑法 | 1.8 | 時間 |
供託法 | 1.8 | 時間 |
民事保全法 | 0.6 | 時間 |
民事執行法 | 0.6 | 時間 |
司法書士法 | 0.6 | 時間 |
一日の学習可能時間から一週間の科目ごとの学習時間を自動出力
自分の1日の学習時間を入力すると、自動的に、科目ごとの一週間の学習時間の目安を出せるスプレッドシートを作成しました。下記リンク先にアクセスし、ピンク色のセルに自分の1日の学習時間を入力すると出力されます。
※2019/5/23追記:ダウンロードして使ってください
一週間の学習スケジュール例
(1日8時間学習する専業受験生の場合)
これを踏まえて一週間のスケジュール例を考えてみます。

民法と不登法、会社法と商登法はそれぞれ知識のリンクが多いので、同一日で設定します。記述問題は、毎日1時間ずつ充てることで検討速度を上げていくことに努めます。マイナー科目は、一つの曜日にまとめてしまいます。
(1日5時間学習する兼業受験生の場合)
次に、専業受験生ほど学習時間の取れない兼業受験生のスケジュール例を考えてみます。1日5時間学習できる場合です。

こちらは、土日にまとめて勉強時間を取る場合のスケジュール例です。

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おわりに
毎日毎日、勉強前に何の科目を何時間勉強しようかと考えるのは無駄です。スケジュールを早い段階で立て、あとは勉強をこなすだけという態勢を作っておくことをお薦めします。
とは言っても、なかなかゼロからスケジュールを立てるのは面倒なものです。そんな方は、まずは、このように得点比率を一つのきっかけとして時間配分を考えてスケジュールを立て、随時修正しつつ自分なりのスケジュールを洗練させていくのはいかがでしょうか。