2017年8月29日、北朝鮮がまたもミサイルを発射しました。北朝鮮情勢はさらに緊迫感を増しています。
受験生のなかには、国を憂いてどこかの駐屯地で檄を飛ばすまではいかずとも、防衛を他国や自国の政治家や官僚に任せ切ることに不安を覚え、自分自身で何らかの行動が必要だと感じる人もなかにはいるかもしれません。
しかし、歯がゆいもので、合格後に携わる登記や後見などの司法書士の主たる業務は、日本の軍事・国防とは直接的に関わり合いものではありません。
そこで、今回は司法書士業務(あるいはその他の国家資格を要する業務)に従事しながら、国防に携わる『予備自衛官』として任官される制度について紹介します。
- 予備自衛官とは何か
- 予備自衛官には2種類ある
- 資格によって従事する区分が分かれる
- 予備自衛官になるには予備自衛官”補”を経てから
- 予備自衛官補任用試験の募集期間と試験期日
- 予備自衛官補任用試験の科目
- その他詳細は防衛省のホームページで
- 終わりに
予備自衛官とは何か
我が国の防衛基盤の育成・拡大と、民間の優れた専門技能の有効活用を図るべく導入された制度です。
予備自衛官は、非常勤の特別職国家公務員という扱いとなります。平時は、民間人としてそれぞれの職業に従事しつつ、必要な知識や技能の維持するために年間5日間の教育訓練を受けます。有事の際には、防衛招集や災害招集の命令を受け、自衛官として後方支援や救助活動に従事します。任期は3年で、継続任用も可能です。
予備自衛官には2種類ある
予備自衛官には、2種類の公募区分というものがあります。18歳以上34歳未満の者を対象とする「一般公募」と、18歳以上かつ53〜55歳未満であって、指定された国家免許資格等を有する者を対象とする「技能公募」とに分かれます。一般公募では3年間で合計50日、400時間の教育訓練の出頭がありますが、技能公募では2年間で合計10日、80時間です。なお、技能公募の訓練でも野外勤務や武器訓練、実弾射撃があります。
教育訓練中の被服・食事・宿泊は無償であって、手当として日額7,900円が支給されます。また、公務上の災害については、自衛官と同様の補償が受けられます。
資格によって従事する区分が分かれる
技能公募においては、有する国家免許資格等によって技能区分が分かれています。医師・薬剤師であれば「衛生」、一休又は二級建築士であれば「建設」といった具合です。平成25年度より、この技能区分に、弁護士・司法書士を対象とする「法務」が追加されました。
なお、一部の「衛生」と「法務」の技術区分の者は、予備自衛官任用時に幹部等の階級に指定されます。いきなり幹部とは凄いですね。
技能公募の技能区分
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予備自衛官になるには予備自衛官”補”を経てから
予備自衛官になるには、まず試験等により予備自衛官”補”として採用され、所定の教育訓練を経て、予備自衛官として任用されます。予備自衛官”補”のうちは、応召義務はなく教育訓練に応じる義務のみを有します。
予備自衛官になるまで
予備自衛官補任用試験の募集期間と試験期日
募集期間は年に2回あり、試験期日も年に2回あります。ただし、2回目は、1回目で採用人数に達しなかった区分のみの募集です。平成29年度の第1回は、前年12月から本年4月まで募集期間が設けられ、4月に試験が開催されました。
予備自衛官補任用試験の科目
一般公募
・筆記試験:国語、数学、理科、社会、英語、作文
・口述試験:個別面接
・適性検査:予備自衛官補としての適性を判定する検査
・身体検査
技能公募
・筆記試験:小論文
・口述試験:個別面接
・適性検査:予備自衛官補としての適性を判定する検査
・身体検査
身体検査では、身長や胸囲・体重、視力等が測られ、基準に満たなければ不合格となります。
その他詳細は防衛省のホームページで
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終わりに
前回の記事では、 司法書士から執行官へのセカンドキャリアを紹介しましたが、今回は司法書士と予備自衛官との二足の草鞋の紹介でした。資格取得後も色々な選択肢があることを知ることで、受験勉強の熱意を増幅させることに寄与できたら幸いです。