(平成29年10月2日に一部修正加筆)
(平成30年10月2日に一部修正加筆)
はじめに
司法書士を目指すということは孤独で困難な戦いを選ぶということでもあります。
司法書士試験は全11科目と科目数が多いうえ、出題範囲も条文、重要論点のレベルのみでなく膨大な数の判例・先例にまで広く及びます。司法書士試験で比率の大きい民法や会社法の択一問題は、文系最難関と言われる司法試験の短答レベルと遜色ないか、あるいは凌駕するとも言われております。
また、司法書士試験の受験生には、司法試験のドロップアウト組も多数含まれ、彼らと合格率3%の枠を争わなければならないことも頭に入れておかなくてはなりません。
凡愚である私の例で恐縮ですが、平成28年度の試験では、司法書士試験の過去問を10周以上解いたうえに、民法、刑法、憲法、会社法は司法試験の短答式過去問も回して臨みましたが、それでも基準点に届きませんでした。
私から見て、そうした試験の勉強を初めから独学で始めるというのは、合格にたどりつけないというわけでは決してないでしょうが、いささか無謀な行為にも思えます。司法書士試験は出題範囲が膨大にあるために、初学者では重要な部分と枝葉の部分との判別がつかず同じ熱量で学習してしまうため、非常に学習効率の悪いものとなってしまうのです。
そこで、そんな厄介な戦いの強力な後ろ盾となってくれるのが資格予備校の存在です。
学習にメリハリをつけ、ペースメーカーとなり、また同士を見つけることも叶います。自分の足で歩いていかないのは変わりませんが、その道標となるレールを敷いてくれるのが、予備校のありがたいところです。
もちろん、予備校へ利用するとなるとそれなりの費用はかかります。しかし、これから合格までに費やす時間、もしくは(あまり考えたくないところですが)合格を諦めるまでに費やす時間を考えてみれば、費用をかけてでも予備校へ通い短期決戦で臨む方が、時間を節約できるので結局は安上がりになるとも考えられます。
今回は、司法書士の初級講座はどこの予備校がいいか、自分の体験を元に紹介いたします。
初級講座で教わる「内容」は、どこの予備校でもそう変わりません。異なるのは「教え方」です。誰から教わりたいか、その観点から予備校を選ぶことをお薦めします。
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LEC
初級講座の費用は15ヶ月コースは50万前後、全日制講座では70万前後です。
学習に専念できる人向けの全日制講座があるのが最大の特徴です。全日制講座は、通常の初級講座の1.5倍の分量のインプットがありつつも、年内にインプットを終えて年明けからアウトプット訓練に勤しめます。集中して一年で片を付けたい人にはかなり適した講座内容になっています。
根本講師の講義が初級者にはお薦めです。最初から最後まで初学者の目線に立って講義を展開してくれます。講義の随所に飽きさせない工夫の結晶があって、記憶に残りやすい内容となっています。
また、暗記すべき事項と過去問を進めるべき箇所を逐一指摘してくれるのでおんぶに抱っこで学習を進められます。そして、どのような質問にも懇切丁寧に応対して頂けるので疑問点をその場で解消することが可能です。逆に、頭の良すぎる受験生には相性が悪いようにも思えます。
下記画像をクリックすると、LECの新全日制本科コースのページへとびます。
ただ、LECは、答練・模試の難度と、その解説に若干の難があると感じます。TAC、伊藤塾に比べ、母数が多いこともあるためか、難度がやや低く、また、解説も肢の優先順位や理由付けがないことも多く不親切です。
一つの予備校の問題傾向に慣れ過ぎると、本試験での対応力が下がるので、初級講座を受けた予備校とは別の予備校の模試も併せて受けることを推奨します。
伊藤塾
初級講座の費用は大体50万前後です。
伊藤塾はテキストがとにかく素晴らしいです。LECでは基本的には答練までは、択一のアウトプットは過去問のみの使用でありますが、伊藤塾は、復習用にドリル、演習用にテストがついております。とにかく書いて覚えたいという人にお薦めの予備校です。
伊藤塾の司法書士講座のエースである山村講師は若手ながら、そのクラスから、最年少一発合格、法律初学者一発合格を含めた、多くの一発合格者・短期合格者、総合成績1位合格者を輩出しており、実績も十二分と言えるでしょう。
また、なぜか伊藤塾は模試の値段が格段に安いです。一回5,000円という破格の設定です。かと言って質が悪いわけでは決してありません。本試験の過去問で出題された内容を前提としながら、周辺知識まで正確に学習しておかなければ点数を重ねられない仕組みになっています。また、解説が非常に丁寧で、その肢が正なのか誤なのかである理由付けはもちろん、各肢の優先度まで踏み込んで解説されております。
初級講座は他の予備校でも、あるいは独学でも、伊藤塾の模試だけは申し込んでおいて損はありません。
TAC(Wセミナー)
初級講座の費用は大体50万前後です。
山本講師と竹下講師のツートップ。両者とも多くの書籍を出しており受験生に広く親しまれています。山本講師は元は実務家であり、その観点からの理路整然とした説明は、
まさに一刀両断、非常に腑に落ちやすい講義となっております。ブログをされており、「ツーウェイ資格試験合格法」等の勉強法や心構えの書籍を出しているので、そちらに目を通して決めるのもいいかと思います。
また、TACには、ホップ答練、ステップ答練、ジャンプ答練と、段階に沿って答練が用意されておりますが、これらの出来がよいです。問題が良質であり、解説が丁寧です。法改正を意識した問題作りを心がけており、本試験の的中率も高いです。
ちなみに、TACは東証一部に上場しており、100株持ってると、受講料10%割引の株主優待が受けられます。
辰巳法律研究所
初級講座の費用は50万弱(例:リアリスティック一発合格の講座)です。合格者への返金制度があるのが嬉しいですね。支払金額の50%とのことです。
ネットで情報発信が盛んな松本雅典講師の講座が受講できるのは辰巳だけです。開示請求された答案を集め記述の採点形式を分析する攻めた姿勢には感服するばかりです。先生のブログは更新の度に、多くの示唆を得られます。
twitterも有用な情報ばかり発信されていらっしゃるのでぜひフォローしておきたいところです。
5ヶ月で合格という実績は伊達ではありません。とにかく効率重視で短期合格を狙うなら辰巳という選択肢もありです。
資格スクエア
講座費用は、
15万強。(2018年度目標(行政書士、宅建士資格取得者向け))
20万弱。(2019年度目標 )
合格時に10万円の返金保証制度があります。
昨今、勢力を伸ばしているオンライン学習サービスです。とにかく、圧倒的にコストが低いです。
かと言って、講師の質が低いわけではなく、大手予備校にて、15年以上に渡り受験指導を行ってきた、三枝りょう講師が担当しております。
講座だけでなくWEB上で、テキストを自分専用に編集できたり、28年分の肢別問題集を解けたりと、正にオンラインに強みを持ってます。とにかくコストを抑えたいという受験生にお薦めです。
クレアール
講座費用は、
20万前後。(2018年合格目標)
30万円台。(2019年合格目標)
合格お祝い金として10万円の進呈があります。
こちらも資格スクエア同様にコストが低いです。非常識合格法という独自のメソッドで一発合格にこだわった予備校です。クレアールの特徴は無駄を削ぎ落としたシンプルで薄いテキストと、独自にわかりやすく編纂されたオリジナルの択一六法です。
オリジナル教材 |司法書士試験合格ならクレアール
また、紙教材に加えてPDFも提供するという太っ腹。ipadやPC上でインプットしたい人には打ってつけです。一問一答の過去問WEBテストも提供しているので隙間時間を有効活用できます。
最小の努力で最大の効果を狙うならクレアールがお薦めです。
気になる方は、こちらから無料で資料請求ができます。
司法書士講座 資料請求フォーム |司法書士試験合格ならクレアール
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比較まとめ
各予備校のコスト、講師、教材を主観でまとました。
資格予備校は、早割を実施しているところが多いので、早くに申し込むほど費用は安く済むようになってます。
思い立ったが吉日。今から初めて他の受験生に差をつけましょう。
(ブログ管理人がどの講座を受講したかについてはこちらから)
www.2ztk4.com
周りの評判を聞いていると伊藤塾をお薦めしている方が多いような印象です。