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予備校テキストがメインでもこの基本書だけは読んでおきたい

司法書士試験は予備校のテキストを使用していれば、
わざわざ小難しい基本書(いわゆる学者本)を読む必要はないとされており、
もちろん、それで合格点を取ることも可能です。
 
それでも、この一冊だけは読んでおいた方がよいというものがあります。
 

 

松井信憲の『商業登記ハンドブック』です。
商業登記ハンドブック〔第3版〕

商業登記ハンドブック〔第3版〕

 

 実務でも必携とされる書であり、予備校のテキストの大半は、本書を参考に作成されています。

 
基本的に、予備校本は、学者本をベースとして、
過去問部分を抜粋し、適宜図表を加えて編纂されています。
そのため、過去問を解くには有用であっても、
未出の問題を解くにはそこまで有用とは言えないこともままあります。
また、予備校によっては資格を持たないアルバイトに編纂を担当させている所さえあります。
 
そもそも過去問とその周辺の対策のみで正答が出せる問題ばかりであれば、
合格率が跳ね上がってしまうので、どうしてもいくつかは脈絡のない論点を出題せざるを得ないのです。
 
もっとも、民法なんかは過去問が膨大にあり、そこまで大きな改正もまだ経ていないので、
予備校本のみでも論点の網羅率が高いので学者本は取り立てては不要なのです。
 
しかし、商業登記法は近年の大幅な改正を経ている上、
論理的に連結しない論点が散らばっているために、
予備校本のみでは網羅し切れていない面があります。
そこで、それを補うのが本書であります。
各予備校の答練や模試を受けていると本書からの引用がいかに多いかに気付くことでしょう。
 
ちなみに、この書籍の助力もあって2017年度の商業登記法の択一は満点でした。
 
また、著者は2015年から司法書士試験の試験委員を担当しております。
年末辺りに試験委員の発表はありますので、思い出せればチェックしておくのも一つの手です。
試験委員の著書は、出来る限り一読しておきたいところです。