司法書士試験の勉強でどの六法を使うか、 初学者にとっても受験経験者にとっても悩ましいところです。今回はお薦めの六法を紹介します。
司法書士試験は、条文知識のみで過去問は解けません。条文知識を原則として、例外となる判例・先例をベースとした問題が散見されます。
なので、六法選びで重視すべき点は、判例・先例がどれだけ記載されているか、です。
以下、お薦め六法と実際に使用してみて感じた利点・欠点を書いてみました。
1位:有斐閣の判例六法Professional
<2年目以降の受験生にお薦め>
収録法令:http://www.yuhikaku.co.jp/static/hourei02.html
【利点】
- 司法書士試験で必要な条文はほぼ網羅されている
- 判例が豊富。司法書士試験の問題の網羅率が最も高いと思われる
- 判例と条文が二色刷りで見やすい
- 四段組なので一度に視認できる情報量が多い
【欠点】
- 分厚い、重い、大きい
- 判例の豊富さゆえに、初学者には条文そのものを吸収しにくい
- 同じく判例の豊富さゆえに、重要判例とマイナー判例との判別がしにくくなる
- 会社法の条文が読みにくい(条文内で条文内容の引用がない)
- 不登法、商登法、供託規則において先例の記載もあるが、登記六法にはその数は劣る
- 司法書士規則や不動産登記準則なでのマイナーな条文がない
- 四段組なので縦に長く机の場所を取る
2位:きんざいの詳細登記六法
<2年目以降の受験生にお薦め>
- 作者: 山野目章夫,筧康生,鈴木龍介,小田桐史治,田口真一郎,早川将和,大野静香,鈴木泰介,村瀬貴子
- 出版社/メーカー: きんざい
- 発売日: 2017/10/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
収録法令:https://store.kinzai.jp/public/item/book/B/13020/
【利点】
- 司法書士で必要な条文は、規則や準則に至るまで網羅されている
- 掲載判例も判例六法Proより若干劣る印象があるも豊富
- 掲載先例が最も豊富
- 別冊で先例集がついている
【欠点】
- 分厚い!
- 一色刷りなので、判例と条文が見分けにくい
- 会社法の条文が読みにくい(条文内で条文内容の引用がない)
- ユニバーサルデザインフォントという字体が人によっては読みにくい
第三位:三省堂の模範小六法
<初学者にお薦め>
【利点】
- 試験に必要な条文はほぼ網羅されている
- 重要判例に絞って掲載されている
- コンパクト、持ち運びしやすい
【欠点】
- 判例六法Professional、登記六法に比べれば判例・先例の掲載数は劣る
第四位:LECの択一六法シリーズ
<会社法・商法の学習に特にお薦め>
2018年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 商法 (司法試験&予備試験対策シリーズ)
- 作者: 東京リーガルマインド LEC総合研究所司法試験部
- 出版社/メーカー: 東京リーガルマインド
- 発売日: 2017/09/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
【利点】
- 二色刷りなので読み易い
- 条文の重要箇所に色がついているのでメリハリをつけて読める
- 引用条文の内容の記載があるので読み易い(特に会社法)
- 重要条文には趣旨の記載があるので理解が捗る
- 注釈において重要事項の記載もあるので便利
- 司法書士試験においての出題実績のある箇所にはマークがある
- 横書きなので読みやすい
【欠点】
- 基本テキスト等と内容が重複するところがあり冗長
第五位:有斐閣の判例六法
収録法令:http://www.yuhikaku.co.jp/static/hourei03.html
【利点】
・判例六法Professionalの利点をそのままに、3段組にしてコンパクトに
【欠点】
・掲載条文数が少ない
(司法書士法、不動産登記規則、商業登記規則等の掲載がない)
最後に
とつらつらと書きましたが、書店に足を運び、目ぼしい六法を手にとって比べてみるのが一番です。自身のバイブルとなるものなので相性のよいものを選びましょう。
ちなみに、私の場合、1年目は模範小六法と、会社法においては択一六法を使用し、2年目は判例六法Professionalを主軸に、適宜、登記六法を併用していました。あ、六法は毎年買い替えましょうね。
条文の色分け方法についての記事はこちらから