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私が司法書士を目指した動機

 
 

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ドラクエⅩに飽きてやることがなく手持ち無沙汰であったというのが正直な動機でありますが、それだと元も子もないのでもう少し掘り下げて建前をお話してみます。 

 

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私は元々は中卒で、ぶらぶらと根無し草のよう遊び回って生きておりました。偉大な先人に高卒で元ギャルの方がいらっしゃいますが、私は中卒のヤンキーでしたので低脳度合いではこちらに軍配が上がることでしょう。
 
そうこうして、地方から東京へ出てきて適当な夢を嘯いては人の家を渡り歩いていましたが、自身に秀でた才もないことに気づき、このまま何の積み重ねもしない享楽的な生き方ではどん詰まりの人生だろうと見切って、中卒で東大行けたらかっこいいんじゃないかという頭の悪い理由で大学進学を志すようになりました。すっかり義務教育の恩恵は抜け落ちており、九九や割り算からのやり直しになりました。結果、力は及ばず一万円札の人の学校へ入学することになりました。独立自尊の言葉が耳に痛い。
 
大学生の時分から、独立開業の意向を仄かに抱いておりました。人と群れて同じ方向を向いて恵方巻きを齧ったり、上から目線で人間からペンギンのように命令を受けることが苦手という、幼稚な性格であったためです。高校へ通い集団生活のなかで学ぶ協調性を身につけなかったためでしょう。かと言って、大学生活で独り立ちできるスキルを習得するわけでもなく、さしたるビジネスモデルも大した人脈も築くことなく、キャンパスライフを酒色と文学、麻雀、バンドに溺れて無為に過ごしてしまいました。
 
そこで卒業を間近に控えてはたと戸惑い、まずは、何をするでも潰しが効くであろう営業力を養っておくかと考え、またも行き当たりばったりで、完全歩合制でベンチャーのコンサルティング会社に入社しました。
 
年間数百人の全国の中小企業の経営者と対峙するなかで、自分自身の独立自営の道が朧気ながらも見えてくるかもしれないと甘く考えていましたが、そんなものが見えてくることは全くありませんでした。ノルマのプレッシャーから舌先八寸でモノを売る能力は伸ばせても、日々に忙殺されて自分自身のなかで人に売れるような技能や将来の展望を培うことはできなかったのです。
 
三年近く勤めましたが、日本全国東へ西へと出張し、夜はクラブでクライアントや上司に諂ってという日々に、精神的にも肉体的にも摩耗してしまいました。さらに、中小企業の経営者の労苦を目の当たりにすることで、すっかり私の中での独立自尊の精神は顔を引っ込めてしまいました。
 
そこで転職に踏み切りました。神経のすり減る法人新規営業からキャリアチェンジしたかったことと、前職では法人営業でなく事業企画も並行して進めていたので、その能力が他社でも通用するのか試したかったことが大きな理由でした。
 
比較的ハードな仕事をこなしてきたので、転職市場での評価は上々でした。一部上場企業のうち何社か内定が決まり、そのうち事業企画のポジションが用意された企業へと転職しました。これにて穏やかな内勤のサラリーマンライフを送れるかと安堵していましたが、そうは問屋が卸しませんでした。入社初日から法人営業に配属されてしまったのです。
 
当時は弁護士等の専門家に相談するような発想もなく、媒介した転職エージェントもまるで役に立たず、私自身に配置転換を要求できるほどの裏付けされたスキルがあったわけではなかったので、甘んじてそれを受け入れて勤務するしかありませんでした。しかし、ノルマこそ達成していましたが、抑鬱状態に陥ってものの半年程度で退職することになりました。
 
そして、またもや転職活動を始めることになりました。しかし、今度は転職市場での評価は前回とは打って変わってガタ落ちでした。面接官のなかにはどういう将来設計をしているんだと小馬鹿にしてくるような輩もおり、何も言い返せず憤死しそうになりました。ニ、三社面接を受けましたが内定に至るわけもなく、メンタルが豆腐状態だったためにもうそこで力尽きました。その場凌ぎで生きてきたツケが、一挙に回ってきたなと感じました。
 
もういっそとことん現実逃避しようと、当時最大規模のMMOであったドラゴンクエストⅩに没頭することにしました。当初は、小学生以来久々に触れたドラクエ世界を、自分の分身が縦横無尽に冒険できることに喜び勇み、寝食を忘れ四六時中ゲーム画面に齧りついておりました。しかし、次第に他プレーヤーとのコミュニケーションが必要になったり、手に職をつけて地道にゴールドを稼ぐ必要が出てきてしまい、現実世界と一緒やないかい!と、あえなく現実に引き戻されてしまいました。
 
観念して現実を考えることにしました。企業勤めは二度と御免ということで、開業への意向を再燃させました。さらに、相変わらず売りたいような商品やサービスも社会を変えたいという野望もなく、また、転職の絡みで、条件に甘んじるしかなかったのは、明確に提示できる能力が自身に欠如していたためだと認識したことで、資格取得しての開業がいいだろうと当たりをつけました。
 
それでは、何の資格であれば飯を食っていけるのかで行き着いたのが、司法書士でした。比較的短時間、低予算で資格取得からの開業が可能なうえ、ある程度の希少性ないし参入障壁があったためでした。さらに、後付けではありますが、経営者との折衝経験も活かせますし、法学部であったのでその経歴も多少は活かせると考えたのです。
 
これが、私が司法書士を目指した取るに足らない動機です。振り返ってみると、我が事ながら人生を舐めていますね。真剣に生きている方々に申し訳ない気持ちでいっぱいであります。受験生の皆様には、こんなふざけた馬鹿でも首席合格できるのかと一つの励みになれば幸いです。ってなんねぇか。
  

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なお、一般の転職市場では凡庸な法人営業経験のみの20代後半で短期退職の経歴ありだとゴミクズのように扱われますが、司法書士求人の市場では30代前半でも若いとみなされ、法人営業経験も重宝されます。いかに自分の付加価値を掌握できるか、そして、それが付加価値として機能する市場で売り込めるかという点の重要性に遅まきながら気づきました。こういうのが自己分析であって、学生時代に済ましておくべきことだったんでしょう。

 

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